2025年度宮代会奨学金奨学生からの報告
宮代会奨学金奨学生
日本語日本文学専攻修士課程1年
韋欽丹(75回生)
現在、中国語を母語とする日本語学習者における助詞「に」「で」「を」「から・まで」の使用実態と誤用傾向について研究を行っています。本研究は、学部の卒業論文で行った助詞の誤用分析を発展させたもので、より幅広い学習段階にわたって、定期的なインタビュー調査やロールプレイ課題を通じて、同一学習者の助詞使用の変化を縦断的に分析しています。誤用の傾向やその持続・改善の過程を明らかにし、今後の日本語教育におけるより効果的な指導法の検討や教材開発に貢献することを目標としています。
また、学部時代から現在まで、本学の日本語教室でボランティア活動を継続しており、学習者と直接関わる経験は、研究を進める上で大きな刺激となっています。
宮代会特別奨学金奨学生
国際交流学科4年
新開怜奈
卒業論文では「ハブ港がもたらす経済効果―日本を追い抜いたアジア諸国のハブ港政策に学ぶ―」をテーマに、日本港湾の国際競争力低下の要因と打開策を研究しました。かつて世界上位にあった日本の主要港湾が、現在はシンガポールや釜山といったアジアのハブ港に地位を譲り、自国貨物の一部を国外に依存している現状に着目しました。立地優位性と集貨能力の視点から各港を比較分析し、国家主導の長期戦略、港湾運営の統合、国内での港湾の役割分担、後背地との連携が「選ばれる港」を形成する鍵であることを明らかにしました。また3年次の他大学とのインターゼミナールや国際経済学会での受賞を通して、今回の卒論研究にも生きる論理性や柔軟な思考力を深め、研究を伝える表現力を磨く貴重な経験となりました。
宮代会特別奨学金奨学生
哲学科4年
木村藍子
フランクルのニヒリズム克服から考えるニーチェ哲学の「超人」の姿を研究しています。
自分自身で価値を創造できる主体として抽象的に描かれているニーチェ哲学の「超人」の現実世界における姿を考えるため、ヴィクトール・E・フランクルのニヒリズム克服のための思考法と照らし合わせ、両者の思想の接点を検討しました。ニーチェは従来の価値の否定や永遠回帰思想など独自の思想を展開していますが、両者とも価値の創造や発見を可能としている点から価値や意味の性質や根拠に着目し、両者のニヒリズム克服は主体自身の決断が鍵となっていることを示しました。
哲学科での学びや学寮での暮らし、フラダンス部の活動や留学生との交流などあたたかいご縁と安心して学べる環境に恵まれ充実した大学生活を送ることができました。
宮代会特別奨学金奨学生
教育学科4年
笠島真帆
卒業論文は「キャリア教育」をテーマに執筆を行いました。特に、小学校における職業体験活動に焦点を当て、児童の発達段階に応じた計画的・系統的なプログラムの在り方を考察しました。学習の場においては、一人ひとりが主体的に関わり、内省しながら力を育む環境づくりが重要であると考えます。大学在学中は、JICA事業の一環としてスリランカ現地小学校でのワークショップに参加し、子ども達が行動変容していく様子を目の当たりにしました。また、山形県での地域学習では、地元に根ざした教育実践に触れ、多くの学びを得ました。教育の在るべき姿について考えを深め、私自身も大きく成長できた4年間だったと感じています。今後は、聖心女子大学で培った知見と経験を糧に、社会に貢献していきたいです。
2025年2月時点の情報です。
